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酵素栄養学

エドワード・ハウエル氏が唱えた酵素栄養学について、分かりやすくまとめました。酵素栄養学の歴史や効果をはじめ「ネットで酵素栄養学の信ぴょう性が疑われているけど、本当に信用できるの?」ということまで、詳しく紹介していきます。

酵素栄養学とは

酵素を「人間の活動をサポートする重要な栄養素の1つである」とみなす理論のことを、酵素栄養学と言います。酵素は熱を加えることで破壊されてしまうため、酵素栄養学では生の食材を食べることを推奨。生の食べ物を食べることで効率良く栄養を摂取し、健康や美容に効果をもたらすと話題の食事法「ローフード」の根底にも酵素栄養学の存在があります。現代においても、酵素栄養学に関する研究は継続。より効率良く酵素を摂取できる方法や健康との関連性などが研究されています。

酵素栄養学の歴史

1946年 酵素栄養学に関する専門書が出版される

酵素栄養学のはじまりは1946年にエドワード・ハウエル氏が出版した専門書です。エドワード・ハウエル氏は酵素を食べ物から摂取できる「食物酵素」と体内にもともと存在し、食べ物の消化や人間の活動に必要なエネルギーを作り出す「潜在酵素」に分けられると説明しました。

酵素が不足すると病気の原因になってしまうことや、体内で作り出せる酵素の量が決まっているため食物酵素を上手く取り入れることが重要であると提起したのですが、当時はその重要性を理解する人がほとんどいなかったそうです。

1980年・1985年 酵素栄養学に関する一般向けの本が出版され話題となる

エドワード・ハウエル氏は1980年と1985年に、一般向けの酵素栄養学に関する本を出版。この本が話題となって、酵素の重要性が世間に認知され始めました。この本は日本語に翻訳され『キラー・フード-あなたの寿命は「酵素」で決まる』、『食物酵素のbaka力』、『医者も知らない酵素の力』として出版されています。

現代においての酵素栄養学

酵素が人間の生命活動において重要であるという研究は今でも続けられています。アメリカでは、酵素を用いた診療を行っているところもあるそう。

日本では鶴見隆史医師や新谷弘実医師が酵素を重要視する主張をしており、健康と酵素を関連付ける本を複数出版しています。さらに、鶴見隆史医師は「食物酵素を豊富に摂取し、体内にもともとある酵素を消化ではなく代謝機能の促進に回すことでダイエット効果が期待できる」と主張し、日本に酵素ダイエットブームを巻き起こしました。今では「酵素ドリンク」や「酵素サプリ」といった酵素を効率良く摂取するための商品が多数販売されています。

酵素栄養学で認められる酵素の効果

酵素の役割とは

酵素は食事によって得た栄養素を分解し、必要とする器官へ運搬する触媒的な役割を持っています。酵素がなくては、他の栄養素を上手く活用することができません。

酵素栄養学における酵素の分類

酵素栄養学では酵素を食事から摂取する「食物酵素」と体内で生成する「潜在酵素」に分類。潜在酵素は更に食事を栄養に分解する「消化酵素」と、分解された栄養をエネルギーに変化させる「代謝酵素」に分けることができます。

体内で生成できる潜在酵素の量は決まっており、消化酵素を大量に生成・消費してしまった場合は、代謝酵素を作り出すことができません。代謝酵素が作り出せないと栄養をエネルギーに変えることができず、代謝機能の低下や便秘、肌荒れ、病気といったトラブルを引き起こしてしまいます。

消化酵素の浪費を抑えるには

消化酵素の浪費を抑えるために活躍するのが、食物酵素です。食べ物がもともと持っている酵素を消化に用いることで、体内で生成しなくてはいけない消化酵素の量を節約し、その分の代謝酵素へと回すことができます。

酵素がもたらす効果とは

十分な量を生成された代謝酵素は、栄養素をエネルギーに変換し、体のさまざまな機能をサポートしてくれます。体内の老廃物の排出を促すことで美容効果を期待できるほか、アンチエイジングやアレルギーの改善、ウイルスの侵入を防ぎ体の免疫力を高める働きも期待できるそう。

さらに、エドワード・ハウエル氏が唱えた酵素栄養学では「酵素には生命エネルギーが含まれている」とし、酵素が多く含まれた食べ物を摂取することで、病気の予防や寿命を延ばす効果があると説明されています。さまざまな効果が期待できる酵素は、普段の生活にできるだけ多く取り入れたい栄養素の1つと言えますね。

酵素栄養学の信ぴょう性について

さまざまな効果が期待できる酵素ですが、ネット上では「酵素栄養学は信用できない」という声も見られます。エドワード・ハウエル氏が酵素栄養学の専門書を出版したのは1946年と今から50年以上前のこと。1980年と1985年に出版した本も1946年に行われた研究や当時の文献を参考にしたものであり、研究が古いため信ぴょう性が薄いというのが多い意見。

特に否定派が多くみられるのは、分子物理学に精通した方々です。酵素栄養学では「酵素の総量は上限があり、消耗されると病気の原因や寿命の長さに関わる」とされていますが、分子生物学においては、「生命活動に必要な酵素は細胞内で遺伝子配列によって合成されるため、絶対量等は定まっていない」とされているのです。

酵素は分子(触媒)であるため、1回活用されて無くなるものではないし、必要となったときに必要な分だけ合成されるというのが分子生物学の通説。酵素を消耗品と捉えるか否かが、酵素栄養学と分子生物学の争点となっているようです。

さまざまな病気に酵素が関わっているとの見解も

しかし、酵素を重要な栄養素とする研究は、今もなお続けられています。最近の栄養学では、健康を保つための8大栄養素「たんぱく質・脂質・糖質・食物繊維・ビタミン・ミネラル・水・ファイトケミカル」に新しく酵素を加えて「9大栄養素」とすることが認定されました。

現代医学においても、さまざまな病気や体調不良に酵素が関わっているとの見解もなされています。

そのため酵素による調節の失調が病気の原因とされる場合には酵素の活性を抑制する治療薬が使用されたり、難病とされるデュピュイトラン拘縮には酵素注射療法がしようされたりなど、実際に医療の現場で酵素に関わる治療が行われているのです。

酵素栄養学が進んだアメリカでは「すい臓の機能低下が見られた患者は、所定の酵素の補足をする必要がある場合もある」と述べるドクターもいます。

一部の情報に惑わされず正しい知識を

酵素栄養学と分子生物学の通説だけを見ると、エドワード・ハウエル氏個人の仮説と多くの研究者が携わった分子生物学として、後者に軍配が上がりそうに思えるかもしれません。

しかし、上記のように医学的根拠が加われば酵素栄養学も目を背けることは難しいのではないでしょうか。酵素は人体や健康的な生活を維持するために欠かせない栄養素であることは間違いありません。

個人が書いたネット記事で判断するのではなく、酵素の正しい知識と活用方法の可能性を知ることがパワーの恩恵を得る近道と言えるでしょう。

酵素は正しい方法で効率よく摂取することが大切

ただ、摂取の仕方にはある程度の知識や注意が必要です。ネット上で見られる「酵素の効果が感じられなかった」という記事は、正しい酵素の摂取方法を実践していない可能性があります。

たとえば、一度50℃以上に加熱された酵素は死活してしまい効果は期待できません。また、食べ物から豊富な量の食物酵素を摂取しても食べ過ぎてしまっては消化酵素を節約することは不可能です。

現在は、熱に弱く、調理や加工された食べ物からは摂取できない酵素を効率よく取るための研究も進められ、酵素サプリや酵素ドリンクといった商品も多数登場しています。酵素サプリや酵素ドリンクを使用する際は、説明書をしっかり読み、正しい飲み方をするようにしてください。

酵素の重要性を理解し、酵素が多く含まれている食材や正しい酵素の摂り方、効率の良い酵素の摂取方法を知ることで、自分の求めている効果を得ることができるでしょう。